治療法の実際_二次診断 補綴顎位の割り出し

頭痛・顎関節症・腰痛・線維筋痛症などの筋筋膜性慢性疼痛への新しいアプローチ

治療法の実際_二次診断、補綴顎位の割り出し

 治療装置での治療の後で、補綴処置(クラウンやブリッジ、義歯、インプラントなど)をする場合は、治療装置での咬み合わせを、非常に精密に補綴物のかみ合わせとして再現しなければなりません。「非常に精密」と言うのは文字通り、ふつう行われている補綴とは比較にならないほどの高精度がいるということです。どれほど高精度が必要かは、実際に治療装置での治療を受けると実感できます。治療装置をほんの少し、厚さ数十ミクロン調整しただけで、それまで残っていた症状が「スパッ」と消えたりしますから、最終的な補綴物の山や谷の高さや形には、厳密な関係が要求されるのです。
 補綴物を作るための第一歩は、顎位の決定です。治療装置は厚さが3~4ミリありますから、このままの位置では高すぎて補綴物は作れません。高さを下げて、補綴可能な高さで、同時に症状が起きないバランスの良い位置を探す必要があります。

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補綴物は精度を高めるために、実体顕微鏡下で作成します

 顎の動きは不安定なので、直接口の中で高さを下げると誤差が多すぎて上手く行きません。そこで、フェイスボーと言う道具を使って、患者さんの顎の開閉軸と、咬合器に装着した模型の開閉軸を近似的に一致させ、咬合器上で近似的な顎運動を行って、顎を誘導するガイドを作ります。そのガイドを使って閉口路を誘導しつつ、トリガーポイントを使った顎位決定テクニックで、顎位を誘導してゆきます。ガイドには誤差があるので、ガイドを調整します。調整が済んだら、その顎位の記録をとります。この記録は目的とする顎位より高いので、更に高さを下げる必要があります。そこで、先ほどと同じテクニックで高さを下げるため、新しい咬合記録で模型を咬合器に取り付けます。
 これを数回繰り返して、補綴物の顎位を決定します。そして、この顎位で顎が安定するかみ合わせを持つ仮の歯を模型上で作り、左右同時に接着します。
 仮の補綴物で顎を正しい位置で安定させたら、歯の山や谷の形を適正にする調整に入ります。この過程はオーリングによる咬合治療に似ています。オーリングでは天然歯を直接削って、害のある面を取り除きますが、私のやり方は、正しい位置に顎を安定させた後で、問題のある歯の面を調整します。顎に位置が大きく狂っている場合は、単に削るだけでは上手く行かないと思います。
 私はオーリングで効果が無かった患者さんの治療をかなり経験していますが、おそらく、この点がオーリング治療の欠点ではないかと思います。 一般の咬合治療や補綴処置に比べてステップが複雑で、必然的に治療費が高くなってしまいますが、確実に治すためには、必要なステップ、複雑さです。